えー、と
これはどういう状況かな?






おとこん 11






朝起きたらソファの上 in ロベルトの部屋でした

「え。あれ?なんで??」

昨日の記憶が途中から無い…
しかもロベルトの物っぽいパジャマ(上)だけ着てるんだけど…
下素足なんだけど…

いやいやいや、そんなそんな、、まさか女だとばれて
大人の階段とか1、2段飛ばしの全力ダッシュで駆け上がって無いよな

そういえばロベルトはいずこ?

あ。パジャマ(下)はいてベッドで寝てる
って事は大人の階段は無いな
離れて寝てるし

と状況確認していると

コンコン

とドアをたたく音が聞こえてきた
自分が出るのはまずいと思いロベルトを起こしにベッドへ近付き揺すり起こす

「ロベルトー、誰かノックしてるよー」

ロベルトは布団の中へ潜り込み、起きようとする気は全く無い

「んー…が開けてくれ…」
「駄目だろ従業員かもしれないんだから
ここのオーナーだろ?起きろって」
「俺が許可してんだから良いんだよ。…開けろ」

命令かよ
ていうか、この格好で?

そうこうしている間もノックは続いている
…仕方ない
カチャリと扉を開けるとそこには――

ライル=スルーマン 来 た

「……………」
「……………」

お互い無言で立ち尽くす

「え、えーと、ロベルトならベッドで寝てます…」
「…そうですか…」
「…従業員さんとか、じゃないですよね???」

気が動転して意味の無い事を確認する

「違います」
「っですよねっ起こします!!すぐ起こしますんで!!」

ふあぁ、怖い!コワイヨ!!
私ライルが一番怖いんだよ!!!
半泣きでベッドまで文字通り一息で飛び、ロベルトの上にドスンと馬乗りになる

「ぐぇっ!!!」

ロベルトから変な声が聞こえたが、構わず左右にガクガク揺らす

「ろ、ロベルト起きろコノヤロウ!!
お客さん!杖持ったメガネの人来てるぞ!!!」
「ぐ、ちょ、、わかっ、った、から揺らすな!!」

超人的な勢いで一気に起き上がるロベルト
必然的に向かい合う形になった
私が膝の上に乗った状態で

…その格好で出たのか」
「ああ、待たせてたし」

上目使いに見ると、少し顔を赤らめたロベルトと目が合った

「ロベルト?」
「…なんでもないっ」

フイッと顔を横に向け、「紛らわしい」とかなんとかブツブツ言っている
えーと、何が???

「っつーかライル!来る時は連絡しろって言ってるだろ?」
「そうですね。次からは必ずそうします」

考えている間に二人が会話を始めたので
私は服を探そうとその辺をウロウロしだした

「次から次からって言っていっつもした事ねえじゃん」
「ですから、次から必ずすると言っているでしょう?」

むー…見つからない
服服服。一体服は何処へいったんだ

「それにしても、知りませんでしたよロベルト
いつの間に彼女なんか作ったんですか?」
「は!?何言ってんだライル!はおと こ――お前、女か?」

指を刺しながらこちらを見やり、私が『男』だと宣言しようとしたロベルトが
私を見て止まった
って事はまだ気付いて無かったのか
チッ急いで身体隠しとくんだった
服探しを中断して壁にもたれる

「どっちに見える?」
「………………女」

ロベルト…足をガン見しながら言うな

「…スケベ」
「なっ!?お前がそんな格好してるからだろ!!?」
「あーすみませんエロベルトさん。足フェチ?とは知らずこんな格好で」
「エロベルトってなんだ!!足フェチじゃねーよ!
ロマンだろ!?女の子と自分のパジャマ半分こすんのは!!」
「ロマンって…それ好きな人だった場合だろ?」

そう言うと、ロベルトはなぜかニヤリと笑った

「…は俺の事『チュウできるくらい好き』なんだろ? 俺もお前の事『チュウできるくらい好き』だぜ?」
「……ぇ」

ぶわっと顔が赤くなるのが分かる
え、なんでそんな事知って…

「おーおー顔真っ赤にしちゃって〜」

ニヤニヤ顔のロベルト
くっ!なんか悔しい!!

「っ昨日何があった!?記憶が途中から飛んでるんだけど!」
「あー、昨日は凄かったぜ?が。」

そこで言葉を切られる
何!?私何したの!!??
………

それまで傍観を決め込んでいたライルに声をかける

「そこのメガネの人…」
「はい?」
「杖、貸してください」
「は?」
「お願いします!そこのエロベルトさんの頭かち割るだけなんで!!!」

それを聞いたロベルトが焦る

「おい!?」
「それは――ちょっと。あんなのでも一応友人なので」
「ライル!今一瞬悩んだだろ!!」

ライルに気が向いている間にロベルトの方へ走り
一気に殴りかかる
が、腕を掴まれて阻まれる
ならばと腕を外し蹴りを繰り出すも
また阻まれる

「っ、おい!落ち着けよ
っていうか、中、中見えるから!」
「大丈夫下着はちゃんとつけてる。

そういう問題じゃ無え!!というロベルトの声を無視し
腕力は敵わないので蹴り中心に攻撃する
が、そこは流石に有力者
全て避けられる

「避けるなよ!頼むから当たってくれよ!そして運良く死んでくれ!!」
「誰がわざと当たるか!〜〜だあぁっ!!面倒臭え!!」

そう言うと私の足を引っつかんでベッドに叩きつけられ
抵抗しないように押えつけられる

「カハッ…ぐ、ッもうちょっと手加減してよ」
「するか!だって本気だっただろーが」
「そうだけど…離してくんない?」
「――、もう暴れねぇ?」
「ははは、それは勿論暴れるに決まってんだろ
ぜってー離さねえ
「それよか、あー…わかってる?」
「何が」
分かって無い、と
さっきの仕返しにちょっとからかってやろ

「この体勢の意味」
「??この体勢って?―――っっ!!!」

バッと離れる前に首に腕を回し引き寄せる

「わっちょ、…?」
「わかった…?ロベルトが私を押し倒してるように見えるんだよ?」

優しく頬を撫でながら足を絡ませ、ゆっくり言い聞かせるように言ってやると
ロベルトは顔を真っ赤にしてうろたえる
その隙をついて今度は私がロベルトを押し倒し、腕を足で固定する

「よいしょっ」
「どわ!?」

ギシ、とベッドが軋む

ロベルトが何か言う前に、顔の真横に拳を振るう
頬にヂッと拳がかすった
感情の無い目で笑う

「で、結局私は何をしでかした?言わないと次は本気で当てる」
「――…俺とタイロンにキスして
カーティスと大声でキスについて語り合ってた」
「………マジで?」
「マジで」
「……あの場に居た全員殺したい」

顔を両手で覆う
「死にたい」ではなく「殺したい」と言うあたり
相当ギルカタール色になってんな、私。

「しょうがねぇよ、カーティスの酒呑んでべろんべろんだったからな」

ちょっと慰められた

「…ロベルト…殺して良い?」
駄目に決まってんだろ

やっぱ駄目か
ハァ、と溜め息を吐いた時、ライルから声がかかった

「…で?私はいつまで傍観していれば良いんですか?」
「「あ」」



+++あとがき?+++
長くなったので一回切ります
えー、ライルが出番少ない件ort
ここまでほぼ空気な彼
果たして喋ってくれるのでしょうか…
後半へー続く!(キー●ン山○風)