爽やかな笑顔がちょうこわいです先生!!

「す、すみませんごめんなさいメガネの人!」
「ライルです。ライル=スルーマン」
ですごめんなさい!」
「いいんだよ、どうせコイツ説教しに来ただけなんだ」
「良くない!わざわざ訪ねて来てくれた人に!」
「っつーかさ、そろそろどいてくんね?」
「へ?」

そういえばロベルトの上にのりっぱだった
降りようとして一旦止まる

やはりここで息の根を…
「なんでだよ!喋っただろ?」
「…私が女だって事、外に漏らさない?」
「――そういや、何では男の格好なんかしてんだ?」
「『男』と思われた方が色々楽だから
カーティスには知られちゃってるからそれ以外には言わないで」
「…だからあいつあんなベタベタしてたのか」
「え。カーティスって女だとベタベタすんの?」

意外と女ったらしだな

「いや、そう言う事じゃなくてな…」

ロベルトが口ごもる

「???ま、どうでもいいよ。ご飯作るからしばらくゲームは我慢して
ライルさんもご飯食べますか?」
「いえ私は…」
「食ってけよライル。のメシ美味いから」
「…では、お言葉に甘えて頂きます」
「はい。じゃあちょっと待っててくださいね」

そう言ってするりとロベルトから降り台所へ向かう





〜しばらくロベルトとライルの会話をお楽しみください〜



「ロベルト、本当にあなたの彼女じゃないんですか?」
「ちげーよ、ダチだダチ」
「ご飯作ってくれてるじゃないですか」
「たまに俺の部屋に本読みに来て、そん時礼っつって作ってくれんだ」
「…本当に彼女じゃないんですか?」
「違うって言ってんだろ!今まで男と思ってたんだよ!!」
「――どこをどう見て男だと…」
「お前あの格好しか見て無いからそんな事言えんだ
普段の服装見たらお前だってぜってー男と思うぞ!?
しかも自身、周りを男と思わせてたみたいだからな」
「……。変わった子ですね」
「そうだな…しかも腕っ節も強いし」
「そうですね。あなたが押さえつけられるのなんて初めて見ましたよ」
「あれはっ…足に目がいって油断しただけだ!」

ロベルトがそう言った時、空気が動いた

「やっぱ足フェチかよ」
「げっ!いつからそこに…」
「飲み物だけ先にと思って。ライルさん、コーヒーで良かったですか?」
「ええ。有難うございます」

ライルの前にコーヒー、ロベルトにフレッシュジュースを置く

「ロベルトは飲む前に顔洗ってうがいして着替えてこい」
「へいへいっと」
「――あ。待ってロベルト」
「ん?」

だるそうに洗面所へ向かうロベルトを引き止め
右側の頬へ手を伸ばした

「ここ、私が殴りかかった時擦れちゃったから沁みると思う…ごめん」
「ッ、あ、ああ…気にすんな」

ロベルトはそそくさと洗面台へ向かった

「?今顔が赤かったような…?」
「……さん。あなた、鈍いんですか?」
でいいですよ。鈍いって何がですか?」
「…本当にわからないんですか?」
「んーー……あ!昨日私がパジャマ借りちゃったから
ロベルトってば風邪引いちゃったんですかね?だったら悪い事しちゃった」
「………はぁ(相当鈍いんですね)」
「???」







食事を終えてお話タイムに突入した

「ロベルト、そう言えば私の服は?」
「服?ああ、昨日勝手に俺のパジャマ上持って
『ロベルトは下だけで寝るんだぞ!あと私の服全部洗濯して』
って言われたから全部洗濯に出してる」
「そうか…」

探しても無いわけだよ
っつーか何してんだ昨日の私…
アホにも程がある

「夕方には届くんじゃねえ?」
「…外出れない…今日シャークさんと約束あるのに」

未だにパジャマ上だけってどうなんだろ
困った

「シャークだったら夜カジノに来るよう連絡しといてやるよ」
「ほんと?ありがと」

助かった
掘った石見てもらわなきゃいけなかったからな

「それより、気になってたんだけどな?」
「何?」
「どうやってカーティスに女ってばれたんだ」

あー、気になるか

「………着替えてる所覗かれたんだよ」
「は…?」
「だから、着替えてる所覗かれたの」
「気付かなかったのかよ」
「その時は気配とか全然読めなかったから
それから不法侵入やらベッドへ侵入やらキスやらされて…」

ほんとに変態だよなあの人

「………大変ですね」

ポンと肩に手を置かれる

「分かってくれますかライルさん…!!」
「ええ。心中お察しします」

良い人!怖いって思ってごめんなさい

「でも最初は一緒に寝るまでだったんだろ?」
「何で知ってんの」
「昨日タイロンが言ってた
酷くなった理由でもあんのかよ」

その理由は…

「カーティスって毒盛っても死なないんだよねー…」
「「……………」」

私が唐突に言った一言にロベルトとライルは固まる
先に復活したのはロベルトだった

「おま…カーティスに毒盛ったのか!?」
「え?うん」
「……なんで生きてんだよ」
「私が?それともカーティスが?」
が」
「それはね?『面と向かって毒盛られたのなんて初めてです』
ってますます気に入られちゃったからだよ…っ!!」

ダンッとテーブルを叩き突っ伏す
墓穴掘ってる気がするのは気のせいかな気のせいだよね気のせいと思いたい…!!!

「真正面から毒盛ったのかよ」
「うん。『死んでください』ってにこやかな顔で料理にふりかけた
しかもさ、その料理食べたんだよ?食べたのに死ななかったんだよ!?」
「…カーティスもよく生きてますね。、どの程度の毒を盛ったんですか?」
「ヒドラが一発で死ぬ位…ですね」
「…お前も大概えげつないな」
「本当にギルカタールの人間じゃ無いんですか?」

どっちも酷い言い様じゃね?

「それからキスされるようになった」
「なるほどなーそりゃ気に入るわ」
「ですね。暗殺ギルドの長が気に入るだけはあります」
「え。そういう結論になるの??」

なんでだよ普通近付こうとしなくならない?
私の『普通』はこっちの『普通』じゃないからか??


まだまだ私のわからない事がいっぱいな世界です
理解できねぇよその思考回路