カッとなってやった。反省はしてますん!





おとこん 16






「うー…眠い…」

夜中にのそりと布団から起き上がる
寝れません
消毒液のにおいするし
ヤバイ…最近寝不足気味だったから頭がボーっとする

ふとベッドを見ると、シャークは寝ている
そ〜っとベッドへ近付き
じいぃっとシャークを見る

そしておもむろに手を伸ばして、頭を撫でた
二、三回撫でるとガシッっと手を掴まれる

「…なに…やってんだ

おぉ…掠れた声がセクシー☆

「なにって…可愛かったから」
「……は?」
「ふあぁぁ…ねむぃ…」

うぅ…駄目だ。眠い
目がシパシパする…もうちょっと横になってよう

「シャークさん手、離して下さい」
「今何て言った」
「…手を離して下さい?」
「違う」
「…えー…と…眠い??」
「……その前」
「んー…?ぁ。駄目限界…」

シャークのベッドへ潜り込む

「お、おい!!!?」

シャークは驚いて上半身を起こした
私は構わず寝そべる

「あ…寝れそう…」
「お前…女なんだからちょっとは恥じらいってもんをだな…」
「手ぇ離してくれないからでしょー…?
それに…私は女の、ふぁ…カテゴリーに入って無いから平気ですって」
「いや入ってるだろ」
「細かい事気にしちゃ駄目です」
「細かくねえよ!大体怪我だってな…」

夜中なのにお説教タイムになりそうな気配がする
私は眠いんだ!!

「もー!!せっかく寝れそうなんですから邪魔しないで下さいよ!」
「うおっ!?」

握られていた手を握り返し、グイッと引っ張りシャークを横にする

はーい良い子良い子ーおねんねの時間ですよー

ポンポンとリズム良くシャークを叩く

「〜〜〜っ!!!コレは何の拷問だ!?」
「私寝たいんです。だからさっさと寝てください」

手を止めずにポンポン叩き続ける

「わかった寝る!寝るから止めろ!!」
「…分かれば良いんですよ」

よしよしと頭を撫でる

「………はぁ(なんだこの扱い)」
「じゃ、おやすみなさい」

もそもそと布団の中に潜り、眠りについた












目覚めるとシャークはもう着替えを終えて机に向かっていた

「おはようございます」
「おう…」

心なしかげっそりしてるような気がするのは気のせいだろうか?

「なんか疲れてません?…ベッド狭かったですか?」
「そうじゃねぇ…いや、狭いは狭いが…」
「??……あ。寝かしつけようとしたの不味かったですか?」
「……それもある。だが違う」
「…頭撫でたのが嫌だった、とか?」
「………他にあるだろ?一番不味いのが」

他なんかしたっけ?

「うーーん…いびきかいてたとか寝ぞうが悪かったとか?
それとも寝言が凄まじかったとか???」
「全部違う!お前がベッドに入ってきた事だろ!?」

しびれを切らしたのか、シャークが答え?を言った

「あー。それですか…だから私女のカテゴリーに入って無いから平気」
「俺が平気じゃねえんだよ!!」
「え?」
「……あ、いや」

シャークがわたわたしてる

「そうですよね。カーティスでもあるまいし…」

奴のせいで感覚がおかしくなってるな

ピタリとシャークが動きを止めた

「…そう言えばこの前カジノで襲うとか襲わないとか言ってたな」
「あー…ありましたねそんな事。あれから変態に磨きがかかって…」
「――何かされたのか?」
「…シャークさん知らないんでしたっけ」
「何をだよ」

言った覚えないから多分知らないんだろうな

「えーと、カーティスなんですが私の家への不法侵入と着替え覗かれて、
女だとばれたんですね?次にベッドで一緒に寝てて、
その次は良くキスされるようになりまして。
カジノの一件以来、きわどい女物の服とコスプレ?的な服大量購入してきたりして
着ろって迫られたりしてます」

一息に喋る
どこの世界も人気はナースのようです。メイドとか

「ってところですね。で、隣で寝てるのは結構定着してきてます」

見るとシャークは目頭を押さえ震えていた

「…眼精疲労ですか?」
「っっ違う!!お前カーティスといいロベルトといい、
一体どうやってそこまでの無防備に育っちまったんだ!!??」
「へ?…今は覗かれてないですよ?持ってこられた服も着たりしてませんし
ロベルトだって最近抱きついては来ますがそんなに害はありませんから」
「あぁあもうコイツ話になんねぇ!!」

今度は頭を抱え悶えている

ちょっと。失礼じゃないかそれ

「もうちょっと男に警戒心持て!」
「私だって警戒心くらい持ってますよ失礼な!」

ただカーティスやロベルト相手に警戒心持っても無駄な気がするだけだ
まだまだ有力者の方が強い

「懐に入れすぎだっつってんだよ!!」

そう言うとシャークはベッドへ近付いて
私を押し倒し足の間に身体を割り入れてきた
両手も頭の上で一纏めに拘束される

「こういう状況になったらどうするつもりだ!?」
「えーと…シャークさんとりあえず落ち着いてください」
はもっと慌てろ!」
「いや慌てろと言われても仮定の話ですよねこれ
この状態での抵抗としては両足使って壁に顔面ぶち当てますけど」

そう言いながら足をシャークに回し、ギュッと力を入れる

「こんな感じで足固定して持ち上げます」
「…じゃあ次。これは?」

空いてる方の手で私の顔を固定し、顔を近付けてくる

「っ…シャークさん!?」
「どうした?抵抗しろよ。なんだったら身体まさぐってやろうか?」
「いりません!え…と、そろそろ止めにしませんか」

じわじわと顔が熱くなってくる
ちょっ何この展開!?いじめ!??

「女を押し倒した男が止まると思うか?」
「…思いません…どうしろと…」
「それはお前が考えろ」
「うー…」

悩んでいるとふっと唇に息を吹きかけられた
ビクッと身体が竦む

「っ!な…に?」
「ほら、今キスされたぞ?」

シャークはもう少し近付けば唇が触れる距離で止まっている

「言っとくがな。今の体勢はわざと隙間を作ってるんだ
身体を密着させられたら終わりだと思え」
「…私相手にこういう展開は、ならないと思うんですけど」
「このままだとなりそうなんだよ。」
「いやいや、ならないですって。
二人に押し倒された事ありますけどそんな展開にはならなかったですし」

一人は酒場、一人は自室であったがそんな気配は無かった
カーティスは多分スキンシップの一環で、ロベルトは私の動き封じる為だったし

「あのな…」
「だって二人とも友達ですし(カーティスも一応)」
「………油断してると頭から喰われて骨も残らねえぞ」

そう言ってシャークは身を離し、ベッドへ腰掛けた

「シャークさんのがよっぽど危ない…」

くそぅ。まだ顔が熱い
むくりと起き上がり隣に腰掛ける

「俺は仮定の話を実践しただけだが?」
「実践なんてしなくていいですっ!」
「…顔、赤いぞ」
「〜〜〜!!」
「ははは」

ポンポン頭を撫でられる

「シャークさん…」
「なんだ?」

ベッドの上で膝立ちになり、ニッコリ笑いながらガシッと両手でシャークの顔を掴む

「お、おい、?!」
「私からも言わせてもらいますけど」

この世界初、女モードを発動する
親指でシャークの唇をなぞりながら押さえ、その上からちゅっとキスをした

「ッッ!!!」
「男だって女に襲われるかもしれないんだから、警戒心持った方が良いわよ?」

ニッと挑発的に笑い、首筋をするりと撫でながら離れる

「じゃ、奥で着替えてきますね」

雰囲気を元に戻す
やっぱ女言葉は使い慣れないな…





「アレは反則だろ…」と後にシャークは語ったという