かなり本気で地味に痛がればいいと思う
おとこん〜Ifな感じでハートの国〜 2
皆様こんにちは。です
只今エリオットに追いかけ回されているので鬼ごっこ中でっす
しかも…帽子屋の敷地内でなんだなーこれが…
何でかって言うと、
街中でうっかりエリオットに見つかる
↓
私を追い掛け回しつつ、敷地内へ続く道へ誘導される
↓
地の利が無いのでまんまと引っかかる
↓
敷地内へ逃げるしか道が無くなる
という訳です
ザッとエリオットと対峙する
「しつっけぇんだよウサギ野郎っ!いい加減諦めろ!!!」
「嫌だ!ブラッドに捕まえろって言われてるんだ!」
そう言いながら、がうん!と銃を撃ってくるので、銃口の角度から着弾位置を予測しつつ避ける
「っつーか私の事捕まえようとしてんのに、撃ってくるってどう言う事だ!!敷地内だろ!?控えろ!!」
「だってブラッドに“殺すな”って言われただけで、“傷つけるな”とは言われてねぇもん」
にぱっと笑うエリオット
あの変態破廉恥帽子め。何考えてんだ!!
「…屁理屈っていう言葉、知ってる?」
「知らね」
「あっはっはだろうなー馬鹿ウサギだもんなーあっはっは」
「だから俺はウサギじゃねえって!俺のどこがウサギなんだよ?!」
「あっはっは――耳。」
真顔で答えると、エリオットはうろたえた
「これはっ……勝手に伸びてきちまったんだ!」
「そうかー可哀想になー。じゃあ削ぎ落としてやるよ、それで少しは頭良く見えるんじゃねぇの?」
「ひっでぇな」
「気安く呼ぶな酷くて結構だ――げっ!!」
「? お。ブラッド」
エリオットの後ろに目線を向けると、ブラッドがこちらへ近付いて来ていた。
くるりと背を向け全力ダッシュで逃げる
「あっ!おい待てよ!!ここまで来たんだから諦めろって!!!」
「嫌なこった!お前のせいだろ馬鹿ウサギー!!」
エリオットが物凄いスピードで追いついてきた。そして―――
「逃がさねぇッ!!!」
後ろからタックルする勢いで飛びついてきやがりました
「っ、おわっ!!!??」
エリオットに下敷きにされる
〜〜くそっ!コレだからウサギってヤツは!!!
「っウサギ!降りろ!!!」
「ウサギじゃねぇって!嫌だ!降りたら逃げるだろ!!?」
ほんっと重い!…かくなる上は…
「………エリオット…」
「っ!!」
エリオットの耳がピンッと立つ
「頼む。重いんだ…降りてくれないか?」
なんとか上身体を反転させて優しくエリオットの耳元を撫でると、耳がピクピク動く
「っ…だ、駄目だっ!」
「頼むって…私が優しく言ってる内に降りろ?じゃないと………引っこ抜くぞ」
「へ?」
ぎゅむっと耳を鷲掴み、徐々に力を加えていく
「ほら…今ならまだ間に合うぞ?降りろ」
「ぅ……っっ耳を引っこ抜かれようがを離さねぇ!!!!!!!!」
ぎゅっと痛みに耐えるように思い切り目をつむるエリオット
…そんな事されたら逆に引っ張りにくいんだけど(罪悪感で)
ちょ、何この子マジで可愛いんですけど!耐えるなよ攻撃しろよ!!
私が動揺している間にブラッドはこちらに追いついた。勿論歩いて
「やあ。私に会いに来たのか?」
「チッ!!気安く呼んでんじゃねぇよこの超絶勘違い変態帽子!!お前がコイツに頼んだんだろ!!???」
「…相変わらずつれないお嬢さんだ」
「おめぇも相変わらず気だるげだな。お嬢さん言うな変態!押し倒した事なら謝ったじゃねぇか!!」
ブラッドは気だるげに顎に手を当て、ニヤリとする
「私は積極的なお嬢さんも嫌いではない――特に君の様なお嬢さんはな」
「アホか!!死ねッ!すぐ死ね!!!誰がお前なんか故意に押し倒すか!!金積まれて頼まれてもしねぇよ!!!
〜〜おいエリオット!もう帽子と会ったんだから目的は果たされただろ。のけ!!!」
「帽子って…、ブラッドっていう名前…」
「知ってるっつーの。前に聞いた」
「じゃあちゃんと呼べよ!!」
「うるせぇそんなの私の自由だろ。呼びたく無いんだよ!!降りろ!」
私がそう言うと、ブラッドが杖を銃に変えた
「――いや、エリオット。そのまま押さえておけ」
ブラッドがガチャリと私の額に銃を突きつけてきた
私は視線をブラッドの指先に固定させ、エリオットに話しかける
「――…エリオット、先に謝っとく。…ごめんな?」
「っ!!?」
優しく言った瞬間にエリオットの首をガッと掴み、頚動脈を押さえて意識を落とし、
ブラッドの銃を横に薙いで銃口を私から逸らしてエリオットの下から抜け出した
「ほぉ…エリオットを落とすとは、中々やるじゃないか。お嬢さん」
「命掛かってるからな。――捕まえようとしたり殺そうとしたり…どういうつもりだ?」
ギッと睨み付けるとブラッドは気だるげにニンマリ笑い、こう答えた
「そういう気分だったんだ」
「…そうかよ。私もお前を殺したい気分だ――と、良いたい所だが。あいにくとそんな余裕は無いもんでね、
退散させて貰うよ…お前の援軍が来たみたいだしな?」
物凄い遠くに斧を持った赤いのと青いのが見える
エリオットを落としはしたが、ブラッド+双子の相手は流石に無理!!
「私がそう易々と君をこの敷地内から逃がすと思うか?」
「さぁね、全速力なら出れると思うけど。」
道順なら覚えたし…
「…会いたいなら自分から来い。捕まえようとしないなら、次からは逃げない」
そう言うと、ブラッドは僅かに目を見開いた
「……やはり興味深いな、余所者という存在は。殺すのが惜しくなった」
銃を杖に戻すブラッド
「そりゃどうも。私はお前に興味全然無いけどな」
「そうだ、滞在先は決まっているのか?」
聞けよ人の話を
キャッチボール成立して無いから!
「…いいや?じゃあ、もう行くから」
くるりと出口の方へ背を向けると、ガシリと腕を掴まれた。
「ならここに滞在すると良い。君なら歓迎する」
「――は?」
一瞬何を言われたのか分からなかった
「え、何?」
「ここに滞在しろと言っているんだ」
「っ命令かよ!!嫌だ!変態帽子と一緒に居たくない」
「――その呼び名は心外だ。ブラッドと呼んでくれないか、お嬢さん」
「呼びたくないってさっきも言っただろ。――っうぉ!?」
後ろから腰を引き寄せられ、耳元で低い声で囁かれる
「…呼ばないと、ずっとこのままだ…なぁ、?」
「ッ!!」
ゾクリと背中が粟立った
ひ…ひぃぃぃ!!!なんつー声出すんだこの野郎!!
「〜〜っわ、分かったから放せブラッド!!!」
「ふ…随分と素直だな…残念だ」
耳を甘噛まれた
「〜〜ッッ!!!!!!お前なんて箪笥の角で小指でも打ってのた打ち回ってろアホーーーー!!!!!」
ブラッドを振り解き、エリオットに気付け薬を嗅がせてから、私は全力ダッシュで走り去った
「…う…」
「起きたか?エリオット」
「あぁ…あれ??は?」
キョロキョロと周りを見わたすエリオット
「さぁな。今頃は屋敷の外じゃないか?」
「え!?逃げたのか?!!また捕まえてくる!!!!」
「もう捕まえなくて良い。――今度見かけたら、お茶会にでも誘え」
「へ?」
「捕まえようとしないなら、逃げないと言っていたからな」
「そう…なのか???」
「ああ。面白いお嬢さんだ」
そう言ってブラッドは自分の唇をツ…となぞった
「…次は是非とも声を上げさせたいものだな」
「?????」
エリオットは頭の上にハテナを飛ばしていた
+++あとがき+++
ボスがなんだかやらしい…