今日は飲み物造りの日っ♪







就寝時には一緒じゃないと







ある日の朝の出来事です。カーティスに告白されました(しかも寝起きに)

「女性として、の事が好きです」
「…………………………え?」

バチッと意識が一気に覚醒する

「ちょ、待って!今私の事好きって言った!!??女として????」
「ええ言いました。僕と結婚を前提に付き合ってください」
「う…うわあぁぁあっ!!!待て待て待て 落 ち 着 け !!!!
「…が落ち着いてください」

ちょ、ちょっと整理しようか。
じゃあ……今までの物凄い激しいスキンシップって全部、カーティスなりのアプローチだったって事だよね…?
『好き』って言ってたのもそういう『好き』って事だよね!???

そう思い至った瞬間、ボッッッ!!!!っと顔が赤くなった

「ちょ、ちょっと今キャパオーバーだから返事はしばらく待って」
「分かりました。待つのは得意なので良い返事を期待してますよ」




―――そして告白されてから三日後の深夜




台所でせっせと果実のヘタを取る作業をしていると、カーティスがいつもの様に勝手に家に入ってきた

「あれ、今日は起きてたんですか
「うん。っていうか鍵かけてんのに何でそんな普通に入って来んの?ここカーティスの家じゃないんだぞ?私の家だぞ???」

セキュリティ全然意味無いんですけど。
――ある意味カーティスが来る事によって究極のセ×ムになってるけどな!
皆さんはセコ×してますか?私の所は強制×コムです!!
アナタヲマモリタイ☆

というか、カーティスが私に告白してきたのって夢じゃね?って位、今までと全然生活リズム変わらないんですけど。
返事するタイミング掴めないんですけど!っつーか何故にあのタイミングで告白…

その時の事を思い出して照れ隠しにブチブチとヘタを取っていると、カーティスはマイペースに自分ルールを言ってくる

「あんな鍵、ギルカタールではついてないのと一緒ですよ。それに、寝る時はの横って決めてるんで」
「勝手に決めてんじゃねぇよ!!!…もうちょっと良い鍵付けようかな…。」

いや、別にもう慣れたから隣で寝てても何の問題も無いけどね……私もカーティス好きだし。
でも一応ね、言っとかないと行動がどんどんエスカレートするからね(告白の返事してなくても)

「鍵を付け替えても入りますけどね。玄関より、の寝室にある開かずの間の方が――」

入るのかよ!それより釘を刺しとかなきゃいけない事が――

「っ!!あそこの部屋は絶対絶対ぜーーーったい入っちゃ駄目だからな!!!!」
「言われなくても、入れないですよあんな魔法が何重にもかかってる部屋には。…でも、何故です?何か見られてまずいものでも?」
「………うー…ん。ある意味ね、カーティスにだけは見られたくない物が…」

そう言うとカーティスはピクリと眉を動かし、不機嫌そうな声で聞いてきた

「――僕にだけは見られたくない…?」
「うん」

現在、カーティスの為にある物を製作中なのです。
いやね?告白される前から造ってたんだけどね???
まだ試作段階で全然駄目駄目だし、その上時間かかる物だから、知られたくないじゃん?
まぁでも、次の試作品の準備を今現在見られている訳ですが。。…言わなきゃ分かんないだろうし

そんな事を思いつつ、引き続きブッチブッチ果実のヘタを取っていると、最後の一個が終了した

「あ…終わっちゃった。じゃあ次――カーティス?」

なんか静かになったなと思って視線を向けると、カーティスは俯いていた

「カーティス…?」
「ねぇ。それって、僕との交際は不可能って事ですか?」
「へ?」

え。何でそういう事に?

「だって、僕にだけは見せたく無い物があるんでしょう?」

そう言いながら、心なしかしゅんとするカーティス

「っそう言う意味じゃ…〜〜〜っあ゛ーーーもぅっ!来い!!!」

カーティスの手を引き、例の開かずの間の前に移動する

…本当は出来上がってからのが良かったんだけどなぁ…

意を決して扉を開けるとそこは―――薄暗くほの冷たい空間に果実が浸かった瓶がいつくか置いてあるだけの、簡素な部屋だ

「これは…?」
「手作りの酒。カーティス専用」
「なぜ…?僕、酔えないんですけど」
「分かってるよ。だからお前でも酔える物造ろうと頑張ってんの!あんなまんまアルコール飲んでるより、味付いてた方が良いだろ?
っつーか好意持ってる人間に良くしたいって思うのは当然――」
っ!!!
「おわっ!?…ビックリした…いきなり大きい声出すなよ」

普段大声出さない分余計にビックリしたが、そんな事お構い無しにカーティスはにじり寄ってくる

「今、僕に対して『好意を持ってる』って言いましたよね?」
「え?そうだっけ??私そんな事言った?」

頭上で?を飛ばしていると、カーティスが抱きついてきた

「言いました。それって、どっちの好意ですか?友人としてですか?それとも――」
「ぇ、えー……と。」

頬を染めつつもじもじしていると、さらにぎゅっとされる

「じゃあ僕の告白を受け入れると、そう思って構わないですか?」
「あー………………そ、ソウデスネ。」

照れくさいのでカーティスの胸に顔を埋めつつ返事をすると、クイッと顔を持ち上げられた。
満面の笑みのカーティスと目が合う

「ちゃんと僕の目を見て返事を返してください」
「う゛。…………私も、異性としてカーティスが好――んっ」

言い終わらないうちにキスされる

「カーティス…最後まで言ってないんですけど!!!」

頬を染めつつジト目でカーティスを見ると、すみませんと嬉しそうに首に顔を埋めてきた

「じゃあ。今日から一緒に住みましょうね」
「えっお付き合い開始から同棲とか、超早くない!?」
「早くないでしょう?元々僕が半分住みついていた様なものですし」
「それは…まぁ、そうだけど――って、こっちに住むの?」
「ええ。今では僕の方が全体的に荷物少ないですから」

――確かに。私の家は物で溢れてるから、住むのであればこっちの方が便利といえば便利だけど…

「でも私の家に来るのなら、毒物は持ち込み禁止だぞ?」
「まぁ…良いですよ?(やっぱり致死性の高い毒物が身近にあるのは怖いんですかね…)」
「シャークさんに頼む位高価な物、間違って料理に使っちゃったらもったいないからな。食べられないし。
あんな紛らわしい瓶に入ってたらうっかり使っちゃいそうで怖い」

私がそう言うと、カーティスは目を僅かに見開いた

「………そっちの『怖い』ですか。」
「?そっちって何?他になんかあんの???」
「いえ…何でも無いです」
「???…じゃあ、さっきの作業の続きするから、放してくれ。あれも酒にするから」
「………。僕の為の作業なのは分かったんですが…無理ですね」
「は!?なんでだよ」

意味が分からないので問うと、大真面目にこう言って来た

「僕寝たいんです、
「?寝れば良いじゃん。私は作業するからまだ寝ないけど」
、僕、寝たいんです」
「……」

わざわざ同じ内容を区切って言ってくるカーティス
それと同時に、脳裏をよぎるあの言葉

――寝る時はの横って決めてるんで――

ダラダラと汗が流れる

つまり、私と一緒に寝たい…と。そういう事ですね?カーティスよ

「〜〜〜…駄目になった酒用の果物代、出せよ?」
「ふ…いくらでも出しますよ」

そう言うとカーティスに、抱きかかえられてベッドへ連れて行かれた
二人してボフリとベッドへ寝転ぶ

「今日は何だか胸が一杯なので、明日、別の意味で寝ましょうね??」
「は?別の…?―――ッッ!!!!セクハラ禁止!!!!!」


放置されて痛んでしまった果実は、大量のジャムになって暗殺者ギルドに配る事になりました