心友から頼まれましてプレゼントとして、、 そしてOP熱が再燃したので書いてみました。 アラロス関係ありませんが、宜しければお楽しみくださいませ。 ある意味これもリハビリ感が否めない(爆) うーん。。。 この人には信用されてない…よねぇ…? 真っ向勝負と盗み聞き 成り行きで麦わらの一味の船に次の島まで乗せてもらう事になって数日。 何もせずにただ船にいるのも気が引けるので、夜の見張りをさせてもらっている。 で。分かった事がある。 この船には、寝ぼけて枕を投げてくる航海士さんがいる。 夜な夜な開始される冷蔵庫荒らし(船長さん時々狙撃手さん)と格闘するコックさんがいる。 そして、夜な夜なトレーニングしだす緑頭のマッチョ(剣士さん)がいる。 そしてそして、私は今日、見張り番ではない。 とくれば、今からする事が決まった。 …そろそろ普通に話せるくらいには、仲良くなっておきたいんだけどなぁ。 他の一味とは仲良くなれた(と勝手に思っている)んだけど、 いつまでも一人だけ気まずいままって自分の気持ち的に気持ち悪い。 なので早速行動開始としましょうか。 深呼吸をひとつ。 意を決して降板へと足を運ぶ。 そこには、いつも通りトレーニングに勤しむロロノアさんの姿があった。 トレーニングの邪魔にならないだけの距離をあけて、話しかける。 「…あのー…ロロノア、さん?」 「……2938……2939……」 え。無視…? いや、違う。 こっち見てる。トレーニングの手を休めずに視線だけでめっちゃこっち見てる。 …喋ってもいいのかな。 無言の返事に会話?を続ける。 「確信を持って言いますが、私のこと信用してませんよね。」 疑問系ではなく断定で聞いてみると、 今度は視線だけでなく、筋トレをしていた腕を中途半端な位置でぴたっ、と止めて顔だけこちらに向けてきた。 ので、こちらも顔を逸らす事なく、真正面から凝視してくる視線を受け止めてみた。 ………。 ………。 ………。 互いに沈黙。 …うん。ロロノアさんが何考えてるかさっぱりわからん!! その表情は物凄く無だ。 無表情だ。 そして無駄に凶悪人面だからちょっと怖い。 うそだ。めちゃんこ怖い! っていうかよくそのままの体勢で腕ぷるぷるしないね…。 内心一人でビビッていると、ようやっとロロノアさんが口を開いた。 「――それ聞いてどうすんだ。」 「仲良くなりたいと思って。」 「は?」 「仲良くなりたいんですよ。貴方と。」 「…自分を信用してねぇって確信してる相手とか?」 「ええ。」 「そりゃあ、えらく酔狂な奴だな。」 「ロロノアさんが私を信用してなくても、私は貴方の事が好きですもの。」 「………。」 突然何を言い出すんだこの女は。 って顔に変化したロロノアさんに構わず、ニコニコしながら話を続ける。 「自分よりも他人を優先する心の綺麗な人って中々いないですよね。 私はその綺麗な心が、貴方にはあると思ってます。」 「……言ってる意味が分かんねェんだが…。」 「んー…簡単に言うと、仲間思いのとーっても素敵な人ですねって事です…か?」 「いや俺に聞くな!」 ビックリ顔で見られても、私にも上手く言えないんだから仕方が無いじゃないか。 「まぁ、それを言ってしまうとこの船の皆がそうなんですけどね。 私、腹の探り合いみたいな事が嫌いなんですよ。 仲間じゃない存在を乗せていて警戒されるのは当然だと思いますけど、 私はこの船の皆が、何も聞かずに船に乗せてくれた貴方達が好きなんです。 だから、約束します。私は、島に着くまで、麦わらの一味を裏切りません。」 「…………島に着いたら裏切るっつー意味か?」 「まさか。次の島まで乗せてもらうっていう約束だから、次の島まで裏切らないって言ったんです。 なので警戒せず、気が向いたら仲良くして頂ければ嬉しいです。」 でも、とロロノアさんに背を向け歩き出しながら言葉を続ける。 「貴方は私と仲良くしてくれないとも確信してます――だからこそ、私は貴方が好きですよ。 では、トレーニング中にお邪魔しました。」 ロロノアさんの姿も見ずにヒラヒラと手を振って女部屋へ戻る。 その後、僅かに緩めた口元と共に呟かれた彼の言葉には気付かぬまま――。 「変な奴。」 ――翌朝―― 刃物の手入れをちょうど終えた所に、ナミがニヤニヤしながら話しかけてきた。 「意外だったわ。あんたがゾロの事好きだったなんてね。」 「はぇ??どこをどうしたらそういう話に…?」 「なに言ってんの。昨日あれだけ派手に告白したくせにとぼけちゃって。」 「こく、はく???」 ??告白なんてした覚えは全くないんだけど…。 身に覚えの無いことに首をひねっていると、ナミが耳元で囁いてきた。 「『ロロノアさんが私を信用してなくても、私は貴方の事が好きですもの。』」 「なっ!!!!!!?????」    そ   れ   か   !!!!!! 「ど…どこでそれを…!?」 「あら、お忘れ?昨日の見張り番が誰だったのか。」 「………すっかり忘れてました。そうだねナミだったよね。しかも丸聞こえだったよね…!」 ロロノアさんとの会話に集中してた上に、緊張してたから女部屋にナミがいない事にも気付かなかった。 汗をだらだらと垂らしてガックリと膝をつくと、くすくすと楽しそうに笑いながらナミが離れていく。 「まぁ、面白そうだから適当に応援してあげるわー♪」 「待ってナミ!!ちがっ違うから!!!そういう意味で言ったんじゃないから!!!! っていうか面白そうって何?!」 見張り台の上で一部始終を見ていたナミにからかわれる日々が、しばらく続きそうです。